【本】自然農法とは何か: ゆらぎとエントロピー
自然農法や自然栽培、無肥料・無農薬。そういった言葉を最近はよくメディアでも目にすることが増えた。
農業をやってる身として、やはりその言葉には興味が湧いてくるのも事実だが、
どうもどこか胡散臭さも感じてしまうところもある。
それは、宗教的な見えない何かなのか、何なのか。
そんな風に感じていたところこの本を読んだところ、どことなくスッキリした。
自然農法に興味がある人なら、福岡正信氏の名前を知らない人少ないのではないか。
福岡正信氏というと『わら一本の革命』という著書が有名だ。
この方もメディアの取り上げ方の問題だろうが、宗教家や思想家といった印象が強い。
しかし、この本によれば、実はそんなことはなく、実際には、とても科学的に物事のに取り組み追求していた事がわかる。第三者による福岡正信氏を書かれたものも珍しい。
また、自然農法につながる有機農業の海外の系譜も書かれており、体系的に理解することができる。
奇跡のりんごの木村氏の項目もある。予てから“奇跡”という言葉がついてることに(これもメディアの影響)、違和感があったが、この著者によるそういうことでなく、なるべくしてリンゴが実った事がわかり、そのあたりもスッキリする。つまり、奇跡ではなく、再現性があるやり方が簡単にではあるが説明されている。
ここに出てくる福岡正信氏の無シリーズとアルバート・ハワードの農業聖典は、現在の無肥料・無農薬栽培やオーガニック・有機農業の情報のオリジナルなものと著者は書いているので、そちらものちほどあたってみたい。
自然栽培とか自然農法、無肥料・無農薬栽培という単語にビビッときた人は、ぜひ読んでみて欲しい一冊。